駅メモで全国を旅するブログ

駅メモで全国を旅するブログ

日本全国を旅した記録を、豆知識などを交えてお伝えします。

スポット紹介:厳島神社(広島県)

広島県廿日市市にある「厳島神社」のご紹介です。

世界文化遺産である厳島神社の歴史や、参拝の順路に沿った各ポイントの説明をします。

 

※記事内の写真は、2018年3月13日に撮影しました。

 

 

こちらのツイートを詳しく見ていきます。

 

 

 

 はじめに

 

日本には色々な名所があります。

しかし、名称や成り立ちがよく分からずに名所を巡って、観光を終えてしまうことも多いと思います。

自分が厳島神社を巡ったときも、そうでした。

 

名所に行くからには、建物の名称や成り立ちが分かっているとより楽しく感じられると思っています。

今回の記事では、「あの時知っていれば面白かったな」と思う情報も含めて、厳島神社に関する情報をお伝えしていきます。

 

自分が世界遺産検定の勉強をしていることもあり、詳細を書きすぎて退屈する部分もあるかもしれません…

そのような場所は、適宜飛ばして読んでいただけると助かります。

 

 

 

 「厳島神社」の概要

 

厳島神社は、海上に浮かぶ大鳥居が特徴的な神社です。

松島、天橋立と並び、厳島神社がある宮島は日本三景の1つに数えられます。

 

写真左側に見える昇殿受付で、昇殿料を払います。

厳島神社の昇殿料は、大人1人で300円です。

 

厳島神社の中へ入っていく前に、成り立ちのお話をします。

 

ここ厳島(宮島)は、古くから島自体がご神体である「神の島」として信仰の対象となっていました。

元々、厳島には神社が建てられておらず、対岸や海上から遥拝*1の対象となっていました。

 

遥拝の対象であった厳島には、593年に佐伯鞍職(さえきのくらもと)によって神社が建立されました。

その後、12世紀に平清盛によって現在のように海上に建つ形の社殿が造営されました。

 

厳島神社本社の本殿や幣殿(へいでん)、拝殿、祓殿(はらいでん)などは、海上に建つ大鳥居と一直線に並ぶ構造になっています。

社殿には、平安貴族の邸宅でよく用いられる寝殿造りの様式が取り入れられています。

海上に建つ社殿と背後の弥山(みせん)が創り出す景観は、平清盛の優れた美的センスによるものです。

 

平清盛が造営した社殿は、何度かの火災で焼失しています。

現存する建物は再建されたものですが、その再建が行われたのは1241年です。

再建されたものの、歴史がある建物であることには変わりありません。

 

戦国時代に入ると世の中の情勢が不安定になったこともあり、厳島神社は荒廃していきます。

しかし、毛利元就厳島神社を保護し、大掛かりな社殿の修復を行ったことから再び栄えるようになりました。

 

成り立ちの話が少々長くなりましたが、ここから社殿へと入っていきます。

 

受付から入ってすぐ、左手に見える拝殿は「摂社客神社(せっしゃまろうどじんじゃ)」です。

建物の形式や配置は、社殿の中央に位置する本社と同く本殿、幣殿、拝殿、祓殿と並びます。

摂社客神社は、本社よりも規模が一回り小さい造りとなっています。

 

こちらは、東廻廊から大鳥居を見た写真です。

写真右側(東側)が摂社客神社、写真左側(西側)が厳島神社の本社です。

 

余談ですが、世界遺産検定1級の問題では、摂社客神社に関する問題も出題されます。

「摂社客神社は、本社と東廻廊で繋がっており、本社から見て北東の位置にある」といった旨の選択肢があります。

この選択肢は正しいですね。

 

こちらは、平舞台付近から見た摂社客神社です。

摂社客神社の背後に見える、左側の大きな建物は「豊国神社本殿(千畳閣)」、中央の塔は「五重塔」です。

豊国神社本殿(千畳閣)・五重塔ともに、世界遺産の構成資産になっています。

 

平舞台から、厳島神社本社を見た写真です。

手前にある高舞台から、奥に向かって祓殿、拝殿、幣殿、本殿の順に並びます。

この高舞台では、1000年以上にわたって代々の神職に受け継がれた「舞楽(ぶがく)」が行われます。

 

厳島神社本社に背を向けて平舞台を進むと、桟橋のような部分から大鳥居がよく見えます。

この日は干潮でしたので、歩いて大鳥居の下まで行けました。

中央部は水が引いていませんが、石でできた足場があるので大鳥居の左右を行き来することができます。

 

ちなみに、この桟橋のような部分は「火焼前(ひたさき)」と呼ばれます。

仲間で旅行しているときに「ここ火焼前(ひたさき)って言うんだよ」と言うケースは少ないと思いますが、知っていて損は無いと思いますので紹介させていただきました。

 

平舞台から続く西廻廊を渡ると、能舞台(写真左手)が見えます。

こちらは、日本で唯一「海に浮かぶ能舞台」となっています。

 

背後には、先程紹介した五重塔が見えます。

 

能舞台の近くには、反橋(そりばし)もあります。

反橋は基本的に天皇の遣いである勅使(ちょくし)のみが通ることを許されていたので、「勅使橋」とも呼ばれます。

 

西廻廊から社殿の外に出ますと、このような松並木があります。

干潮時には、この松並木から大鳥居の近くまで歩いて向かうことができます。

 

実際に大鳥居の近くまで歩いてみました。

先程、火焼前(ひたさき)の部分で紹介した足場の上から撮影しました。

 

大鳥居の真下から撮影すると、このような感じになります。

支柱が砂浜に刺さっている訳では無く、この大鳥居は自身の重みで立っています。

大鳥居の上部には、合計7トンほどの石が詰められています。

 

この大鳥居は、1850年の台風で破損した後、1875年に再建されたものです。

 

昇殿受付近くには、このような注意書きもあります。

大鳥居の付近で貝を取るのは止めましょう。

 

平清盛毛利元就によって造営・改築がなされた、海上に浮かぶ世界遺産厳島神社に是非お越しください!

 

 

 

 「厳島神社」の所在地

 

日本全国旅行スポット紹介の、「厳島神社」付近に拡大した地図を埋め込んでいます。


適宜、拡大・縮小などをしてご覧ください。
マップの利用方法については、こちらの記事もご参照ください。


 

 

 

 「厳島神社」へのアクセス(Google マップ

 

みなさんの現在地から、厳島神社までのルート案内が表示されます。

※PCで閲覧されている場合は、現在地と違う場所が示されている場合があります。

 

 

*1:遥拝について(元の位置に戻るためには、*1をクリックorタップ)

 

遥拝とは、遠く離れた場所から神社やご神体の方向を向いて参拝することです。

 

世界遺産絡みの情報としては、富士山で山麓から山頂を拝む形で遥拝が行われてきた歴史があります。

ちなみに、富士山の登録名は「富士山-信仰の対象と芸術の源泉」といいます。

山なので自然遺産と勘違いされることもありますが、富士講などの信仰や富嶽三十六景などの芸術へ影響を与えた価値が評価された文化遺産です。


プライバシーポリシー