乗車券、普通に買うと損しちゃう?お得な週末パスを徹底解説
【本記事の概要】
1泊2日の旅行におススメのフリーパス「週末パス」についてご紹介します。
関東甲信越や東北地方の南側をお得に旅したい方、必見です。
記事をご覧いただきありがとうございます。
いきなりですが、みなさんはtrivagoのCMを見たことがありますか?
若いカップルと老夫婦がホテルにチェックインしますが、どちらも同じプランなのに料金が異なる設定のCMです。
trivagoは、複数のサイトを比較して、同じホテルの同じプランでも最安値のものを提示してくれます。
では、鉄道でもこういうことが起こったら嬉しくないですか?
同じ経路の同じ新幹線でも、値段に差があるなら安い方を選びたいはずです。
ただ、全く同じ経路なのに値段に差が出ることはあるんでしょうか?
もしあるのなら、浮いたお金でもっと良いホテルに泊まれたり、奮発して美味しいものが食べられたりするかもしれませんね。
先程の問の答えは、「ある」です。
trivagoのような料金比較サイトはありませんが、安くする方法ならあります。
この「週末パス」を使えば、旅程によっては1万円近くお得になります!
それでは、「週末パスの概要」「損した実話」の2点に分けて説明していきます。
週末パスの概要
週末パスは、関東甲信越や東北地方の南側を走るJR東日本の路線と、周辺の私鉄が乗り放題になるフリーパスです。
値段は、大人1人で8,880円です。
有効期間は土日祝日の2日間ですが、注意点があります。
それは、購入できるのが「使用開始日の前日まで」であることです。
旅行1日目に週末パスを購入することはできませんので、必ず旅行日の前日までにお買い求めください。
週末パスの券面やJR東日本の公式ホームページにフリー区間の記載はありますが、省略されている部分もあります。
自分が通っている場所が本当にフリー区間なのか心配になる方も居ると思います。
そこで、週末パスのフリー区間を、地図にまとめてみました!
JR線まで線で描画すると非常に複雑になるので、週末パスで利用できる私鉄各線だけを線で描画しています。
フリー区間内のJR線で、境界となる駅にはピンを立てています。
緑色はJR東日本内での境界、青色はJR西日本との境界、橙色はJR東海との境界を表しています。
描画した線は粗いですが、お許しください…
私鉄各線と境界駅の説明も記載していますので、暇なときに見ていただけると嬉しいです。
以下、週末パスで特におススメな2点をピックアップして説明します。
詳細な発売期間や注意事項等は、JR東日本の公式ホームページをご覧ください。
特急や新幹線も使える
【週末パスを使って乗車した現美新幹線(上越新幹線 燕三条駅)】
フリーパスと聞くと、青春18きっぷのイメージが強い人は多いのではないでしょうか?
青春18きっぷでは、特急や新幹線には乗車できません。
どうしても乗車するなら、青春18きっぷがあるにも関わらず特急に乗る区間の乗車券まで追加で購入する必要があります。
しかし、週末パスなら特急券さえ購入すれば、特急や新幹線にも乗れます!
もちろん、フリー区間内の利用に限りますが、そのフリー区間は先程お見せした通り広いです。
長野や仙台もフリー区間に入っているので、新幹線で旅行するのにも十分な距離かと思います。
私鉄も使える
【富士急行に直通するJRの特急「成田エクスプレス」(富士急行 富士山駅)】
※成田エクスプレスの富士急行線乗り入れは、2019年3月で終了をしています。
私鉄各線がフリー区間に含まれることも、週末パスの大きな特徴です!
旅行をする際に、伊豆急下田駅や富士山駅などが目的地の最寄り駅になることもあると思います。
普通に乗車券を購入するとあまり意識しないかもしれませんが、伊豆急下田駅や富士山駅はJRの駅ではありません。
仮に、JR線のみが対象のフリーパスだった場合、私鉄の区間は別途料金を支払う必要があります。
しかし、週末パスは伊豆急下田駅がある伊豆急行、富士山駅がある富士急行など多数の私鉄もフリー区間に含まれます!
JRと私鉄の境目を気にせず、シームレスに移動できる点は非常にありがたみを感じます。
サフィール踊り子や富士回遊などの特急は、JR線から私鉄各線へと直通します。
このような特急に乗るときも、「週末パス」と「特急券」さえあれば良いのです。
ここまでが、週末パスの概要です。
基本情報は分かったものの、どれくらいお得なのか実感が湧かない方も居ると思います。
次は、自分が実際に旅行をした際に「週末パスを使わなかったことで損をした」実例を紹介します。
実際に支払った運賃を計算し、週末パスを使っていたらどれほど得をしたかをお伝えします。
損した実話
2018年の9月に渋温泉に行きました。
渋温泉は、千と千尋の神隠しに登場する油屋のモデルにもなった「歴史の宿 金具屋」がある温泉地です。
油屋のモデルになった旅館は他にも複数ありますが、そのうちの1つです。
渋温泉へは、長野駅から長野電鉄に乗り、終点の湯田中駅からはホテルの送迎車やタクシーなどで移動します。
ちなみに、写真に写っている車両は、元々は小田急電鉄の特急ロマンスカー10000形 HiSEとして活躍していました。
長野電鉄や湯田中駅と言われても場所のイメージが湧かない方も多いと思うので、渋温泉周辺を拡大する形で先程のマップを再掲します。
適宜拡大や縮小をして、「あーこの辺か」と思っていただければ幸いです。
湯田中駅までの経路は、こちらです。
それでは、渋温泉を旅行したときの運賃を計算して、週末パスと比べてみましょう!
このときは、行きが北陸新幹線、帰りが中央本線の経路で移動しました。
【松本発横浜行の特急「はまかいじ」(JR篠ノ井線 松本駅)】
帰りも北陸新幹線でない理由は、横浜線直通の特急「はまかいじ」にも乗りたかったからです。
※残念ながら2019年の春以降、特急「はまかいじ」は運行されておりません。
話を運賃計算に戻します。
この時に利用した乗車券は、以下の通りです。
(運賃計算は、便宜上2020年5月現在の値段で行いました)
新宿駅から長野駅 乗車券:4,070円 特急券:3,170円
長野駅から町田駅 乗車券:4,840円 特急券:3,440円
乗車券の合計は11,290円、特急券の合計は6,810円で、全体の合計は18,100円です。
週末パスの場合は、乗車券が長野電鉄も含めて8,880円になるので、全体の合計は15,690円です。
その差額は、2,410円です!
2,410円があれば、座席をグリーン車にグレードアップしたり、旅館のお部屋を1ランク良いものにすることもできるかもしれません。
今回は目的地が長野の渋温泉だったので、2,410円の差でした。
しかし、週末パスのフリー区間で端の方にある鳴子温泉を旅行する場合で比較すると、単純に東京駅と鳴子温泉駅を往復するだけでも5,420円の差が出ます。
過去に駅メモで位置情報を収集する目的でたくさんの鉄道を利用した時は、9,820円も得したことがありました!
以上で、週末パスの説明を終わります。
渋温泉に旅行したときは、週末パスの存在を知りませんでした。
タイムスリップをして、過去の自分に週末パスを教えてあげたいくらいです。
幸い、この記事を読んでいるみなさんは「週末パス」を知っています。
土日などを使って1泊2日で関東甲信越付近を旅行する際は、考慮に入れてみて下さい!
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました!
フリー区間は限られていますが、関東甲信越や東北地方の南側を旅行するときは是非「週末パス」をお使いください。
記事内で少しだけ登場した現美新幹線について、気になる方はこちらもご覧ください!